2025年のパチンコ業界は、前年に続き一強多弱の構図が色濃くなっています。地域一番店や大手法人への稼働集中が進み、地域二番手の店舗でさえ黒字維持が精一杯という状況が増えているのではないでしょうか。
そんな厳しい市場環境のなか、苦境に立たされる店舗にとって唯一の希望は規制緩和だといっても過言ではありません。しかし、規制緩和を期待する前に、現在の遊技機規制、とくに「ラッキートリガー」について正しく理解することが重要です。
本記事では、ラッキートリガーの仕組みやその影響について、改めて整理し、わかりやすく解説していきます。
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ラッキートリガーとは?
ラッキートリガーの基本概念
「ラッキー(Lucky)」は「幸運」、「トリガー(Trigger)」は「引き金」や「きっかけ」を意味します。この新機能は、現行の上位RUSH(特図2の高性能RUSH)の強化版として機能します。
つまり、従来の「上位RUSH」に相当する状態の期待出玉を6,400個から9,600個未満まで増やせる仕様になっています。ただし、全体の射幸性は規制の範囲内に留められ、現行ミドル機種と比べても大きな変化はないことがポイントです。
ラッキートリガー導入の背景
日工組内規の改正
日工組(日本遊技機工業組合)は、2023年夏頃に内規を改正しました。その際、以下の2つの大きな変更がありました。
- 「一発台系」の総量規制緩和
- 「おかわり性能なし」の機種に限り、最大10,500個未満までOK
- 「ラッキートリガー」の追加
- 「LT(Lucky Trigger)」として表記
- 上位RUSH突入時の期待出玉を6,400個超~9,600個未満まで許容
ラッキートリガーの搭載条件
搭載するための3つの条件
ラッキートリガーを搭載するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 初回含む全平均期待出玉を3,200個未満にすること
- RUSH突入・非突入を含めたすべての初当たりを平均した期待出玉を3,200個未満に抑える必要があります。
- これにより、現行のミドル機種(全平均期待出玉:約5,000個)と比べて、初当たりの見た目はやや重くなる傾向にあります。
- LT到達率×LT期待値(初回除く)が、全平均期待出玉(初回含む)の1/2以下であること
- 例えば、LT突入時の期待出玉を9,600個、全平均期待出玉を3,200個とすると、LT突入率は1/6(約16.7%)以下に抑える必要があるということです。
- LT突入の見た目の確率と、実際の突入確率には差が生じる可能性があります。
- Cタイムを搭載しないこと
- スマパチ(e機)にもLTは搭載可能ですが、その場合「Cタイム」との併用はできません。
ラッキートリガー搭載機の具体例
ラッキートリガーを搭載した機種のスペックは、主に3つのタイプに分類されます。
1. 甘デジタイプ(上位RUSH強化型)
- 例:「PA大海物語5 With アグネス・ラム」LT搭載モデル
- 上位RUSH時短回数を110回 → 290回に増加
- 期待出玉を約9,000個に向上
- ただし、大当たり確率を1/99.9 → 1/128.0に下げ、遊タイムも廃止
2. ライトミドルタイプ(ジャギの逆襲型)
- 例:「P真・北斗無双 第3章 ジャギの逆襲」LT搭載モデル
- RUSH突入率を30%に下げることで、全平均期待出玉を3,200個未満に調整
- 通常RUSHの性能を若干下げることで、LTの出玉性能を確保
3. 100%突入型(擬似確変仕様)
- 例:「P緋弾のアリア~緋緋神降臨~LT搭載FSZ」
- 実際の大当たり確率は1/199.9だが、見た目上は1/399の100%突入機に見える
- 小出玉の当たりを「大当たりに見えない仕様」にすることで、LTを搭載
ラッキートリガーの影響と今後の展開
射幸性はアップするのか?
- 「9,600個ZONE」が追加されることで、爆発力は増すが、
- 全体の平均期待出玉は3,200個未満に制限されているため、トータルの射幸性は従来のミドル機種と大きく変わらない
ホールへの影響
総量規制の上限が9,600個に引き上げられた点は、確かに規制緩和といえます。しかし、これは一律に適用されたわけではなく、特定の条件を満たした場合に限られるため、通常の総量規制6,400個が無条件で9,600個に拡大したわけではありません。
そのため、業界全体の射幸性が大幅に向上したわけではなく、遊技機のバリエーションが増えたに過ぎないという点に注意が必要です。これを踏まえると、2025年に登場する遊技機に対する期待感が大きく跳ね上がるとは言い切れず、むしろ緩和の範囲を冷静に見極めることが重要となります。
まとめ
ラッキートリガーは、従来の上位RUSHを強化する新たな機能ですが、業界全体の射幸性を大幅に引き上げるものではなく、規制の範囲内での新たな楽しみ方を提供するに過ぎません。
このため、現行の内規の枠組みでは、業界全体を浮上させるような革新的な遊技機の登場は期待しにくいと考えられます。結果として、商圏内での店舗序列が大きく変動する可能性は低く、特に地域1番店以外の店舗にとっては、遊技機のスペックだけで業績が好転する可能性は極めて低いといえます。
遊技機の性能に頼ることが難しい状況では、店舗独自の施策を講じ、集客力と収益力を向上させる以外に道はありません。
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