稼働低迷時に接客を強化してはいけない理由

パチンコ業界コラム

ユーザー人口の減少に歯止めがかからないパチンコ業界。
数少ない稼働上昇の店舗は大手チェーンか地域一番店ばかり。
中小規模の店舗は非常に厳しい舵取りを強いられています。

稼働低迷時に接客を強化してはいけない理由

稼働が低下する要因はいくつかあります。
そしてその対策もいくつかあります。
まず思いつくのが「新台入替」「リニューアル」「強イベント」など予算を割いた稼働対策。
確かに即効性のある対策ですが、それに見合った効果があるかは疑問です。
一方、ハードに対してソフトの対策として「接客強化」「クリンネス」「景品イベント」などといった対策もあります。
表題にある通り、稼働が低下しつつある時に「接客強化」という選択はNGであるというのが今回言いたい事です。
パチンコ店と接客は切っても切れない関係です。
接客を軽く見るということはお客様を軽く見ている事と同様。
そんなお叱りの声がある事は重々承知のうえ、ぜひ最後まで読んで頂ければと思います。

稼働低迷の要因を考える

稼働が低下するパターンには主に2種類あります。
①自店の稼働も商圏全体稼働も低下している
②自店の稼働が落ちた分、商圏内で稼働上昇した店舗がある
この①であれば時期的な問題や業界動向の中での問題が考えられます。
問題は②のパターンで、これは自店が他店に対して劣っている部分がある可能性があります。
いわゆる「顧客が自店より他店を選んだ要因がある」ということです。
それは何か?まずはそこを徹底的に分析する必要があります。
原因がわからなければ対策が打てないからです。
もしくは当てずっぽうで稼働対策を行ってしまう可能性すらあります。
まずは稼働低下の要因を徹底的に解明しましょう。

自店の接客が要因で稼働低下が発生するか?

接客というのは1日で大きく変わることはありません。
長い日数をかけて試行錯誤とスタッフへの教育、スタッフの皆さんの頑張りが今の形です。
接客が要因で稼働低下するというのは、それだけ長期間かけてジワジワ落ちていくのです。
つまり目に見えて稼働が落ちたと言うのであれば、それは接客が要因ではありません。
それに、稼働が落ちて「接客を強化する」と店長が言ってしまえばスタッフの皆様は「自分たちの接客がマズくてお客様が減ったと言うのか?」と感じてしまいます。
本当に接客がマズくて稼働が落ちているのであれば仕方ありませんが、別の要因があるのに接客のせいにするのは百害あって一利無しと言えます。

なぜ稼働低迷時に接客強化を選択するのか?

接客を強化するという行為自体は素晴らしいことです。
問題はそのタイミングで、稼働が低下している時に選択するべきでは無いだけです。
では、なぜ多くの場合で稼働が低下してくると接客強化を打ち出してしまうのでしょう?
答えは簡単で「予算が不要」だからです。
前述した「新台入替」「リニューアル」「強イベント」というのは予算がかかります。
予算がかかるということは結果を出さないといけない訳です。
しかし、入替やイベントで単日の集客を行ってもその後に繋がらない事は何度も経験しているはずです。
それに原因が「機種構成」「出玉」であるという分析が間違いなければその対策も有効かも知れません。
その分析を行うことを放棄して、安直に「予算が不要=効果が無くてもOK」という発想から接客強化という対策を選んでしまうパターンが多いのではないでしょうか?
つまり稼働低下時は「接客強化」という逃げ道が存在し、その逃げ道を選択すべきでは無いという事です。

接客強化というのはいつ行うべきなのか?

稼働低下時に接客強化を行うのはNGというのはわかってもらえたと思います。
では、接客強化というのはいつ行うべきなのか?
これは稼働上昇が見込まれる時です。
接客を最前線で行って頂けるスタッフの気持ちになって考えればわかります。
稼働が落ちてるから接客頑張れと言われて良い気分で接客できますか?
その気持ちがお客様に本当に伝わりますか?
「お客様が増えてきたからウチの店の良さをたくさん知ってもらおう」
こう言われて頑張らないスタッフはいません。
接客強化など特別な事をしなくても自然とお客様に伝わる接客ができます。
お客様に良い接客を受けて喜んで欲しいなら、まず稼働を上げてスタッフのモチベーションを上げる土台を作ることです。
稼働を上げるためには、いま稼働が低迷している要因を的確に分析し正しい一手を打つしかないのです。
それを行わずして接客を強化して稼働を上げようというのは逃げの戦略に他なりません。
これが稼働低迷時に接客を強化してはいけない理由です。

パチンコ戦略コンサルタント


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